太陽を利用した革新的なデザイン：Solarbreaker

建築物の全面をエネルギー生産に活用

「Solarbreaker」は、建築物の全面をエネルギー生産に活用するという、これまでにない発想が評価され、2020年のA' Building Materials and Construction Components Design Awardで銀賞を受賞した。大きなガラス張りのファサードは、部屋を過度に暑くするという問題を抱えていたが、このデザインはその問題を逆手に取り、建物全体を電力生産に利用するという新たな可能性を提示した。

「Solarbreaker」の特徴は、太陽光発電パネルを建物の一部として組み込むことで、建物全体をエネルギー生産に活用することが可能になった点だ。また、システムの柔軟性を活かして、建物のファサードだけでなく、バリア、フェンス、窓のブラインド、自立型のブラインドなど、さまざまな用途に応用することができる。

このデザインは、押出成形プロファイルに基づいており、太陽光発電パネルは主要なプロファイルに取り付けられる。この組み立て方法により、製品のリサイクルが容易になる。また、設置も簡単で、押出成形プロファイルはレゴブロックのように折り畳むことができ、広範な配置の可能性を提供する。

「Solarbreaker」の設計は、プロファイルと建築構造の接続にほとんど工具を必要とせず、構造体は現場で直接組み立てられる。完成したプロファイルに太陽光発電パネルを取り付けるだけで、重量の圧力で要素がロックされる。また、家庭用電力網に接続するための必要な要素が装備されており、ケーブル接続はプロファイル内部に隠されているため、耐久性があり、気象条件にも耐えることができる。

このプロジェクトの最大の課題は、内部の電子機器と太陽光発電パネルにもかかわらず、製品の軽さを保つことだった。しかし、その課題を克服し、建築物の全面をエネルギー生産に活用するという新たな可能性を提示した「Solarbreaker」は、建築、デザイン、エネルギー生産の領域で新たなスタンダードを打ち立てた。